Fußball Tagebuch

ガンバと代表と欧州サッカーと、たまに趣味のこと。

ドルトムントにアウェーでまさかの快勝、ユヴェントスの勝因を探る

f:id:gutierre:20150320121431j:plain
3月18日、CL 2neレグが行われた。

 ユヴェントスドルトムント、両者の各リーグでの立ち位置は非常に対極的にある。ユヴェントスセリエAで2位ローマと勝ち点差14につけ、ほぼスクデット目前という余裕の位置。対するドルトムントブンデスリーガ10位であり、リーグでも気が抜けない状況にある。

そんな中、ドルトムントはホーム・ジグナル・イドゥナ・パルクでユヴェントスを迎え撃った。
 
しかし結果としてはまさに、ユヴェントスの"完勝"。アウェーでありながら前評判以上といっても過言ではないスコア3-0で、ドルトムントを完全に下した。
試合内容も圧倒的。ドルトムントはシュートをほとんど放てず、それどころかPA内にさえまともに侵入できなかった。今回は勝利したユーヴェ目線で、この試合について少し考える。
 
3バックが功を奏す。コンテとは違う、アッレグリの"使い分け"
 
ユヴェントスの先発メンバーは4-3-1-2。左からエヴラ、キエッリーニボヌッチ、リヒトの4バックを敷き、中盤はポグバ、アンカーにマルキージオビダルの3人。そしてモラタ、トップ下ペレイラテベスを配置。
前半3分にテベスミドルシュートで先制点を奪ったユヴェントス、立ち上がりから順調に組み立てて試合を運んだが、なんと前半26分に中心選手であるパウル・ポグバが足を負傷するアクシデントが起きてしまう。
アッレグリはこの不測の事態に、ポグバに代えてDFのアンドレア・バルザーリを投入し、3バックに変更した。この陣形の変化こそが、これまでにないユーヴェの新しい形だ。
コンテ政権時は、ユーヴェは一貫して3-5-2を多く起用していた。しかし、アッレグリは4-3-1-2からポグバの負傷を受け即座に4バックから3バックにシステム変更。バルザーリボヌッチキエッリーニの3人を敷き、リヒトシュタイナー、エヴラを中盤の高めの位置まで上げ、ペレイラが攻撃と守備のバランスを見つつ動く、3-5-2の陣形を設定。中盤の人数を増やして攻撃面に厚みを加え、ボールを奪われれば中盤の選手が素早くDFラインに戻る。ドルトムントには、後ろに引かれてしまうと一向に攻めの起点を作れない弱点がある。それも3バックの状態で引かれてしまうと、守備ブロックを破るのがより困難になってしまうのだ。
コンテ時代には見られなかった相手と状況に合わせた"システム変更"、そしてアッレグリの、4バックシステムとこれまでの3バックシステムの"使い分け"こそが、この試合の結果を大きく左右したと言えるだろう。これによってユヴェントスはリズムを崩すことなく試合を進めることができた。
 
中盤の大きな攻守貢献、ピルロの"代役"ではなく、新しい"主役"
 
この試合で際立った存在感を見せたのが、ビダルマルキージオペレイラ、そして途中から高い位置を取ったリヒト、エヴラら中盤の貢献。
いつもなら中盤の底にピルロを置きたいところだったが、ピルロは負傷しており、今試合に間に合わなかった。その代わりとしてマルキージオを使ったように見えるが、これは"代役"に見えて実は"主役"だったのだ。
マルキージオは守備時は相手の縦パスを幾度となく阻み、攻撃の起点を一切作らせなかった。それは試合を見ていて誰もが目にした場面だろう。そして彼はさらに、高めの位置まで上がって組み立てや攻撃に何度も参加。トップ下のペレイラもバランスを見ながら攻守にひた走り、エヴラ、リヒトがサイド攻撃に厚みを加えた。中盤の動きと攻守の貢献、全体の連携はドルトムントに足りなかったことであり、その走行距離も最後にはドルトムントを上回るほど。マルキージオはカウンターの起点に、ペレイラもアシストを記録し、ピルロの代わり以上の成果を成し遂げた。ドルトムントからすれば、ピルロがいた方が楽だったようにさえ思えたはずだ。
 

陣形と距離感 埋められなかった差

 この試合のデータにおいて、一つ興味深いものがあった。それがこれ。
 
f:id:gutierre:20150320124844j:plain
 
ユヴェントスが適度な距離感を保ち陣形を整えていた中で、ドルトムントは中に固まったり、ばらけたりした形になっていた。選手間にスペースが空いたりなど、いくつかの穴が見受けられる。
2点目でドルトムントテベスに裏抜けを許したが、あれは後半8分にもオフサイドではあったが同じような形を作られていた。あのオフサイドはこの崩れ気味な陣形と最終ライン、そして後の失点を暗示するものだったと言える。そこをクロップが、チームが上手く修正できなかったのが、BVBの敗因の一つに数えられるだろう。
こういった連携面や距離感という部分においても、ユヴェントスは相手のひとつ上を行っていたのだ。
 
 
合計スコア5ー1の大差でドルトムントを破り、ベスト8進出を決めたユヴェントス。この勝利は案外"必然"だったとも言えるかも知れない。