Fußball Tagebuch

ガンバと代表と欧州サッカーと、たまに趣味のこと。

ロシアW杯 日本vsベルギーの雑感と敗因と今後の課題

決勝トーナメント1回戦での今試合、結果は2-3でベルギーの勝利。

まさかの激闘でした。筆者は試合が始まる前日に「まあボロ負けだな。」という気持ちでしたがまたまた予想を裏切られる結果となりました。

雑感

f:id:gutierre:20180703133541p:plain

両者の先発はこんな感じ。日本はGL1、2戦を戦ったベストメンバー。ベルギーも同様にベストメンバーです。

前半は思っていたよりも日本側が好ペースに動いていた印象でした。ベルギーが舐め腐っていたのもあると思いますが、向こうとしてはある程度日本にボールを持たせて、適当に奪って一発仕掛けようという狙いに見えました。しかし思っていたよりベルギー側の守備も甘く、ヴィツェルやデブライネ周りの位置を突かれているシーンが散見。スコアレスで試合を折り返しましたが得点のにおいは感じられましたね。

そして後半開始早々に先制点を決めたのは日本でした。得点の流れを見ていくと

f:id:gutierre:20180703134524p:plain

乾がベルギーのワンツーを読んでボールを奪ったシーン、ベルギーのデブライネ、ヴィツェルらの脇が甘いことは前半でもわかっていましたが、この瞬間二人は完全にボールサイドに偏っておりスペースが空いていました。そこを見つけた柴崎は奪った途端すかさず走り出すと

f:id:gutierre:20180703134717p:plain

乾も柴崎を見つけてしっかりボールを渡す。同じタイミングで原口が裏に抜け出し、柴崎は絶妙なスピード、タイミングでフェルトンゲンの足先を掠めたパスを通し、先制点を演出しました。真っ先にスペース見つけて走りこんで正確に通す岳さんやっぱスゲーわ、と。クルトワを相手にニアからファーサイドに流し込む原口のシュートセンスも絶品ですね。で、この得点の4分後に、こぼれ球を拾った香川から、乾の無回転ミドルが炸裂し、まさかの2点リードとなりました。

さすがにベルギーもこの状況は予想していなかった、とばかりにギアを上げ始めます。細かく繋ぐ、と言うよりはサイドに展開して中央のルカクにあてに行き、セットプレーなど高さ勝負に持ち込む方向へシフト。俺達のフェライニ、またテクニックとそこそこの長身を持ち合わせるシャドリの2枚を投入して長いボールを使う機会が増えました。

その後セットプレーからフェルトンゲンの謎のヘディングがゴール隅に吸い込まれ失点、さらにはこれまたセットプレーからアザールのクロスをフェライニにヘッドで決められ同点弾となりました。もはや赤い悪魔はなりふり構いません。そして後半アディショナルタイム残り10秒近くでのカウンターのシーン

f:id:gutierre:20180703140449p:plain

デブライネがボールを持っており、他のベルギー選手が4人、日本守備陣が3人の数的不利の状況。もう少し後ろに人数を残せなかったのか、と考えてしまいますがこのゴールにおいて議論になっているのはデブライネと対峙している山口蛍のプレー。

これは是非動画で確認してほしいのですが、確かにここの印象として山口はプロフェッショナルファウル、といいますか警告を引き換えに止めに行くことはできなかったのか、ディレイで対応することはできなかったのか、とつい責めてしまいそうになってしまうのは事実。しかし冷静に見てみますと、まずこの状況で2人足りていない数的不利、裏にはルカクがいて、サイドには3人が走り込んできている、そしてなによりトップスピードでガチのデブライネがボールを持っているという状況に置かれている中で、この位置にいる山口が出来た対応と言うのはそもそも何かあったのだろうか、と思ってしまう次第でした。距離を詰めてもディレイを選んでも、今ボールを持っているのはあのデブライネです。あの位置でこの状況になった時点でいわゆる「詰み」だったんじゃないか、と言う話です。

いやしかしこのカウンター、ほんっとに綺麗ですよね。セットプレーで普通にキャッチされるとこに蹴っちゃったのがなあとは思いますが、そこからの流れが本当に無駄がない。個人的に度肝抜かれたのが

f:id:gutierre:20180703141749p:plain

中央の赤丸がルカクなんですけど、こんなのもう絶対ルカクが蹴るじゃねーかと思うじゃないですか、でも実際はまさかの

f:id:gutierre:20180703141831p:plain

このスルー。あんなビジュアルなのに滅茶苦茶頭が良いんですよね。いや世界ってすげえなとひたすら関心して、もうこれで負けたら悔いはねえなって。

今大会を受け課された課題

まあ、感動しっぱなしという訳にもいきません。これで感動をありがとう!サンキュー!サンキューな!で終わってしまっては元も子も無いというもの。そんな日本に課された課題は主に3つかなと。

1つ目:若い世代の上積みが得られていない

今大会は西野監督が就任2か月で組み立てた急造チームと言うのもありますが、基本的にこの人選は、今回結果を出すためだけに組まれたメンバーです。ハリルホジッチが続けていればまだ違っていたかもしれませんが、実際は南アフリカ、ブラジルW杯でプレーした選手たちを中心に、武藤、柴崎、宇佐美らといったプラチナ世代を組み込んだもので、カタールW杯の頃には多くの選手が30代を超え、ピークを過ぎると思われます。しかしリオ五輪世代など今後の代表を背負っていくであろう世代の選手の起用は一切見られず、経験を積ませることはままなりませんでした。これからの4年は、また一歩目から積み重ねていく、厳しい期間になると予想されます。

2つ目:様々な技術の欠如

世界と戦っていくうえで足りない技術の多くが、今回でまたもや浮き彫りになった、という印象でした。90分守って攻めて走り続けるスタミナやゲームの運び方、緻密な戦術、空中戦での勝負、少ない決定機を決めきるテクニックなどなど。今回の大会を機に、さらに協会が危機感を持って力を入れてくれればいいですね(遠い目)。

特に今大会海外組の活躍が多かった中Jリーグ勢は存在感を示せず、主力として起用されたのは昌子だけでした。若い世代の強化と同時にJリーグの強化についても深く考えなければなりません。

3つ目:田嶋幸三

元凶。最大悪。これをどうにかしなければ前に進めません。西野監督に代えて結果出たしやったぜとか思ってそうですがもしほんとにそんな勘違いをしていたらもう失望しかない。確かに今大会急造チームで結果は出ましたが、まず今回の躍進自体、非常に運が良かった、と言っても良いものでした。たまたま今回博打が上手くいったように見えますが今後への上積みは非常に少ないですし、何より日本は100回の内たまたま1回強豪に勝てるチームじゃなく、50回程度は勝てるようなチームにしなきゃいけないわけです。本大会2か月前にまったく不可解な理由でチームをバラバラにするというトチ狂った判断を平気で出来る人間がサッカー協会のトップに居るのは非常に問題。

今回の対戦相手であるベルギーも、数年前までは全く結果が出ず、それに危機感を感じた協会が育成年代に力を入れ、その最高傑作が今のアザールルカクデブルイネなどといったメンバーである、という正に全ての国がお手本にすべきチームですので、そこも考えてほしい。

 

敗因は何だったか?

で敗因について色々考えて見たんですが、選手の総合力もそうかもしれないのですが、これに関しては今まで何となく片付けて来た「個の力量の差」ではなくなって来てるな、と感じました。じゃあ何が足りなかったかってやはりチームとしての準備ができなかった、ってところに尽きるのかなと。

そもそも選出する選手を見る時間も少なければ調整する時間も足りなかったため有効的に切れる交代カードの数は少なく、ゲームプランであったり決まりごとであったりをチームに植え付け、統一することもできなかった。で結果的に相手の変化に対しての対応や修正が難しくなってしまったのではないかと。しかしベルギーは正反対でそういった意識は非常にハイレベルな形で浸透していますし、取るべきプランをとって日本代表を崩してきた。今試合においても相手の交代で入ったシャドリとフェライニに対応できず、その二人にゴールを決められたというのはその点を如実に表しているようで。結局のところ負けるべくして負けた、といったところでしょうか。

 

いやしかし、中盤のテクニシャンを与えて西野にチーム作らせたら、やっぱ面白いことしてくれるな、と思ったガンバサポでした。後ろが疎かになるのも含めて、ね。夢を見せてくれたいい試合でしたが、とはいえいかにこれを活かしていけるかが日本の真価の問われるところかと思います。まずは安定してベスト16に行けるようになって、ベスト8の壁も破ってと、段階を踏みながら成長していってほしいものです。